管理職の意識変革

「こういう日を待っていた。遅すぎるくらいだ」
「内部からだけでは変えようとしても出来なかった。外部からの風を期待したい」
 某日の蒸し暑い中、とある新規の先で幹部社員を集めて、経営コンサルタントとして挨拶から始まり、目的や皆さんとすすめる内容に関しての話し合いの場が持たれた。

 いわゆるコンサルティングのキックオフミーティングみたいなものである。依頼主である経営者側とは既に事務面も含めて入念な打ち合わせがなされているが、従業員の皆さんとは初顔合わせとなる日である。
 毎回、この日はちょっとだけ緊張する。彼らは果たして自分を受け容れてくれるだろうか、そんなことを考えながらの、オリエンテーション参加となるわけである。

 で、ひととおり説明が終ったあと、参加された社員の方からの感想や意見などを聞く時間に移って、出てきたのが冒頭の言葉である。

 今回のコンサルティングの主要テーマは組織を変革する、である。まあ厳密に言えば、組織を変えてしまうわけでなくて、組織風土を変革する、ということになるわけだけど。で、そのためには管理職の意識を変えなければならない。いわゆる管理職研修では、その場限りの意識改革で終ってしまって結局翌日からは何も変わらない可能性があるから、継続的に運用される仕組み(ルール)作りを行うことで、まずは環境を変えていく。職場の環境そのものを変えることで、組織に蔓延る名ばかりの管理職の意識を変える、または否が応でも変わらざるを得ないように持っていこうというのが筋書きである。

 こうしたことは最終的には、そこで働く管理職には負担増となるものであるが、硬直化した組織に身を置いていると「何とかしたい」という漠然とした思いは多かれ少なかれ誰もが抱いている。
 したがって、(上からのお仕着せでなく)自分たち自身で手を加えて仕組みやルールを作っていき、それが結果として理にかなっていれば、自分たち自身の負担増になっても止むを得ない、というコンセンサスは得られやすい。

 今のところは、彼らにとって私はウエルカム状態である。今後も彼らの期待を裏切ることのないように、風を吹かせるシナリオを展開していきたい。

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