ことのほか、BSC(バランススコアカード)経営理論が注目されているらしい。新しく顔を出した企業、団体などで、皆さんそれなりに導入している、もしくは導入しようとしていらっしゃる。結構、このBSCの話が出てくることがあるのだ。
まあ、数値で企業活動を見える化しよう、というのは考えてみれば当たり前のことなんだけど、この理論は複雑に錯綜した企業活動をタテとヨコの因果連鎖で体系化したところが、わかりやすくて万人を納得させているのだろう。
私も、この当たり前のことが今まで頭の中で整理できているようで出来ていなかったが、このBSCによってスッキリさせることが出来た。今は、BSC理論を実践化させるExcelツール4DMを開発して、企業に導入しつつあるBSC信者?にまでなった。
まあ、この4DMについてはいずれ述べていこうと思うけれど、2年くらい前のこと、名古屋市主催でBSC関連の講演をさせていただいたことがある。
その時に聴講者の方から「BSCを実際に導入しようとしてもなかなか進まない。何をKGIにして、何をKPIにしていいのか、またKPIの階層はいくつくらいが適正なのか」という質問のをいただいたことがある。
何でも外部コンサルタントの指導のもとに進めているのだけど、やれこれがKGIだ、こっちがKPIだ、という議論をするばかりでどんどん拡散するばかりとか・・・。
私は、BSCは、その考え方は素晴らしいと思うけれど、あまりキーワードとかにこだわる必要はないと思う。何だか、こうしたキーワードは、コンサルタントや学者がメシの種にするために謳っているに過ぎないと考えているのだ。ひどいのになると、Bは「バランス」が正しいのか「バランスト」が正しいのか、なんて議論までクライアント先で披露する方もいらっしゃるなんて話を聞く。
要はBSCの考え方(この考え方が実は当たり前のことなんだけど)をもう一度みんなで再認識して、目標を設定していくことが重要なのだ。
あまり大上段に構えずに、出来ることから進めていけばいい。最初のうちは目標設定そのものが本当に正しいとは誰にも断定できない。まずはやってみることだ。難しい言葉も出来るだけ出さない方がいいかもしれない。
参考までに、私はいつも ニュアンスは若干違うけれど「大目標」「中目標」・・・といった親しみやすい?表現を用いることにしている。
大事なことは、PDCAの中で、誰がどういった権限と責任で「C」チェックを行っていくか、の方がはるかに重要である。
ルールや仕組みを定着させるで述べたように、風化させないための仕組みを作る方がずっと難しいのだ。
現場ではBSCを言葉遊びの道具にすることのないように注意しなくてはならない。