私は別に年寄りではないけど、ちょっと年寄り臭いことを書いておこう(最近気になることが多いので)。
企業の規模や業種を問わず、社内の人間のタテの関係を保つことが下手な人が増えてきたように思う。ここでいうタテとは、職位ではなくどちらかと言うと、年齢や在職年数的な意味合いである。かく言う私も多分その下手な部類に入ると思うのだが、それでも目上、特に年を召した方の話には積極的に耳を傾けるようにしているつもりだ。
まあ、私の話はこっちに置いといて、とにかく、多くの人は、職場では上司と必要以上に関わるのを避け、社会生活においてもお年寄りと接する機会などほとんどない。だから(かどうかはともかく)、タテの人間関係を築くのが苦手な人が多くなっていることは事実だろう。必然的に、同年代の人間とだけ戯れるようになっている傾向は否めない。
別にタテの関わりなど意識しなくてもいいし、絶対的に必要かと言うとそうでもない。ただ、人生経験の長い人は良きにつけ悪しきにつけ、いろいろなことを知っている。だから、もっとその人たちと関わりを持つ努力をすることも必要かと思う。特に、若い社員、若い後継者ならなおさらのことである。
最近は、インターネットで検索テクニックを身につければいろいろな知識を容易に得ることが出来る。若い社員や事業承継したばかりの若い経営者は、社内の目上の人に対してどう接していいのかわからないし、聞き方もよくわからない。一方でPCは得意だし、ときたら、もう必然的にインターネットでコトを済まそうということになる。
でも、よく考えてほしい。ネット上に溢れる知識はもちろん価値多いものであるが、語り継がれる経験は、PC画面では得られない(言葉には出来ない)付随的価値を有していたりすることもあるはずだ。
タテの関係を苦手としたままでいると、本来いろいろと教えてもらえるはず(教えてもらうべき)なのに、そういった機会がなかなか巡ってこないのだ。
だから、なるべく目上の人の話をたくさん聞くことが大切だということだ。年長者は成功も失敗も実に数多くの経験を持っている。
「あの人のいうことは××だからなぁ」とぼやく前に、先ずは出来るだけ自分の中に吸収すること。先ず聞いて、自分の中で咀嚼したあと取捨選択すればいい。自分の中でセレクトするのは、検索テクニックより難しいかもしれないけれど・・・。
私が尊敬する聴風館の小野陽太郎師範は、よく言われる。「年寄りから学べ。年寄りの話は、未体験の人生体験を聞くことになるわけだから、自分のこれからに大いに参考になる」と。
後継者で日の浅い方、これから事業承継をするであろう方、若い社員の方、どうか目上の人に積極的に教えを請うてみてほしい。